コーチの愛用者です。まだ日本で売られた無かった頃から利用しています。ただ、今のコーチのシグニチャラインは持ってませんが。
元々このブランドはアメリカのブランドで、ヌメ革のバッグや財布、ベルトなどを作っていた会社でした。商品のデザインはどっちかというとダサいものでしたし、虚飾を排した質実剛健という感じのものが多く、一枚ものの革のバッグには内張りもありませんでした。 ただ、サポートは抜群で、アメリカ国内で買った場合は修理も無料のことが多かったですし、革はなめした時期や染色した状態を番号で管理してあって、もし自分のバッグのあるパーツの交換が必要な場合でも、補修用の革は製作された当時のものがしっかり保管されていて、それで補修されるというようなものでした。
日本では三越が高級ブランドとして展開しようとし、あちこちにコーチのコーナーを作りまして、その頃には、アメリカで販売されている2~3倍の価格設定がされていました。それまでは個人輸入でコーチから直接購入することもできたのですが、そういうルートを遮断したのも三越でした。 こういうのは日本の商社がよくやりますが、L.L。BeanもEddieBauerも、海外通販ということで安く買えていたのに、商社が始めると価格が数倍になってしまい、そのうち直接輸入もできなくなるパターンですね。
三越が一流ブランド商品としてプッシュしていたにもかかわらず、世界的にはあまり認められずに、経営が危なくなってきたので、イタリアのデザイナーが入り経営のてこ入れをして、今のようなデザインの商品ができてきました。今までのコーチの愛用者からしたら、うどん屋がパスタが美味しいイタ飯屋になったみたいなものです。
ただ、その戦略は大成功して、多くの人が愛用する今のような状態になりました。日本では殆どの人が「コーチ」と言われると「高知」や「(野球の)コーチ」を想像していたころから20数年も経ってないのが、ここ10年ほどでブレイクしたのですから、他のブランドと比べたら、二流、三流というように思う人がいても不思議ではないと思います。
でも、その商品が好きで使っているのでしたら、その商品には何かしらいいところがあるわけですから、それを使い続けることに対して、他の人の評価を気にすることはないように思います。ただ、日本では、海外で評価(売られている)以上の価格で販売されていますから、それが適正かといえば疑問が残ります。そんなにエイヤって思って買うようなブランドではなく、元々は気軽に持てるブランドの筈なのですけどね。